こんなにも評価が高く、満点だらけのレビュー満載のチェアはめずらしいことです。
本当に?と疑ってしまいました。
DORO C300PROは日本のメーカー品ではありません。中国のメーカーがダイレクトに日本国内で販売しています。
筆者は正直、食わず嫌いというわけではないですが、国内家具メーカーもしくは欧米の有名ブランド以外のチェアはあまり興味がなくレビューも控えてきました。
しかし、DORO C300PROは世間からの評価が極めて高く、値段も「マジで?」とおどろくほど安いんです。
それだけ筆者の興味をそそったということです。
評価が高すぎて怪しさすら感じるので、徹底的に検証しました。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
【総合評価】色んな意味でありえないチェア
おそろく、日本のオフィス家具メーカーが代理店になって販売していたら、まずこの値段は実現しなかったでしょう。
「高機能チェア」の部類に入るチェアとして余裕で10万円を切るなんて、かなり安いのです。それだけコストパフォーマンスが高いチェアだと感じます。
オフィス家具メーカーから見れば、衝撃を受けるような値段と言わざるをえません。メーカーのバイヤーなら飛びつくほどパフォーマンスが高いです。
国内メーカー泣かせのチェアと言っても過言ではありません。
基本情報
品名 | DORO C300PRO |
サイズ | 最大幅:75cm 最大奥行:75cm 座面幅:48cm 高さ(最高値):117cm |
機能 | ・シート高さ調整 ・シートスライド ・リクライニング機能 ・リクライニング段階固定 ・背もたれ高さ調節 ・自動調整ランバーサポート ・ヘッドレスト角度調節 ・体重感知オートロッキング ・6Dアームレスト |
材質 | 生地:ポリエステル(メッシュ) フレーム:樹脂成形品 アーム:PUパッド、アルミダイキャスト キャスター:PU |
送料 | 無料 |
実店舗 | なし |
メーカー | SIHOO(シホウ) |
SIHOOは2011年に中国で創業したメーカーです。
DORO C300PROは、もともと欧米向けに販売しており、日本にも輸出を始めた経緯があります。
Amazonのレビューで世界中から購入者の感想が寄せられているのはそのためです。
SIHOO(シホウ)は怪しいのか?
筆者は20年以上家具業界で働いていますが、SIHOO(シホウ)についてはまったく知りませんでした。
国内大手のメーカーをはじめ、地方の中堅メーカーまでそれなりの知識を持っているつもりですが、SIHOOを知ったのは最近のことです。
これまでオフィスチェアは国内のオフィス家具メーカーや家具店が販売するものであり、海外のメーカーが日本国内でダイレクトで販売するような商流は、あまり聞いたことがありません。
エルゴヒューマンも関家具が代理店になっているだけで、自社で開発したチェアというわけではありません。
海外製のチェアであっても、日本のメーカー(販売店)がOEM供給を受けたり、代理店として販売するのがごく一般的です。
しかし、SIHOOは中国メーカーであり、ダイレクトで日本市場に参入しています。日本のオフィス家具メーカーが関与していません。
正直、日本のオフィス家具メーカーが代理店になっていないせいか、説明書の日本語は文法が怪しい点が多いです。公式サイトの販売ページも読みにくい点があります。
レビューが良すぎたり、日本語の説明がおかしい点があるので、SIHOOが怪しいと感じてしまう人がいるのかもしれません。
結論を言いますと、サイトやレビューを見るかぎり怪しいと感じる点があるものの、商品はしっかりしているので安心です。
DORO C300PROをレビュー&項目別で評価
商品が届いておどろいたのが、緩衝材の多さです。
商品が傷つかないように、相当頑丈に梱包してあります。緩衝材も発泡ではなく厚紙でできたものです。
ここまで頑丈な梱包は初めて見ました。
残材処理は大変ですが、商品を傷つかないようにするためのメーカーの配慮は評価できます。
商品重量に加えて、これだけ頑丈な梱包なのので重くなるのは当然です。余裕で30Kg以上ありますので、持ち運びには苦労します。
パーツはバラバラになっており自分で組み立てる必要がありますが、構造自体はシンプルで組立説明書も付いているため、迷うことなく組めます。
脚ベースも組み立て式になっているのは、とてもめずらしいことです。パーツを分けることでコストを抑えている可能性があります。
組み付け式だからといっても、品質的にはまったく問題ありません。
ビスには緩み止め(青色)が塗布してあります。
長期間使用していても緩みにくい仕様のため、評価できるポイントです。
デザインを評価
デザインは主観が入るので人によって意見は分かれるところですが、筆者はDORO C300PROのデザインはかなりいいと感じています。
中国製にありがちなゴツゴツした感じがなく、スタイリッシュな雰囲気をまとっているのです。
背・座ともにメッシュでランバーサポートが付いたチェアは最近よく見かけますが、本商品は全体的なバランスがよく取れています。
安さを感じさせない高級感のある仕上がりです。
デザインがいいと感じるポイントの一つに、アームレストがあります。背もたれ後方からつながっているところがダイナミックでカッコいい!
ヴォリューム感があって、曲線を描いたフレームが重なりあうスタイリッシュな見た目になっています。
張り地がメッシュなので、軽快に見えるのもポイントです。
側面から見ると、S字姿勢に導くようなデザインになっていることが確認できます。エルゴノミクス(人間工学)を考慮して設計したデザインと言っていいでしょう。
座面は臀部の快適性を得られるように、立体形状の座面になっています。
座面下のメカ部分は、突起レバーが1本だけでロッキングノブもないため、スッキリ見えます。
フレームの表面シボ(粗さ)は控えめです。上質な質感に見えます。
シボが強いと昔ながらの安いチェアのようでダサいので、この点も合格です。
脚ベースは直径70cmと大きいため、安定感があります。
思いきりもたれかかっても、脚ベース前方が浮くことはありません。
キャスターはPU(ポリウレタン)を採用しており、フローリングに適しています。
転がっても静かで床を傷つけにくいメリットがある一方で、やや滑りにくいためカーペットの上ではナイロンキャスターに比べると転がりにくい傾向があります。
機能を評価
オフィスチェアは機能によって座り心地に影響します。
ただし、機能がたくさん付いていればいいというわけでもありません。座り人の体格や姿勢に合わせて、ちゃんとサポートする機能かどうかが重要です。
DORO C300PROについては機能をすべて含めると、全部で9個あります。
見た目だけ高機能チェアに見えるものと違って、正真正銘、高機能チェアと呼んでいいでしょう。
高機能であるため、座る人の体格に合わせやいのがメリットですが、2点だけ惜しい点があります。
良い点
- 正真正銘、高機能で実用的である
高級チェアにひけを取らないほどの機能があり、実用的である点は高く評価できます。
惜しい点
- リクライニング時にアームレストの角度も上がってしまう
惜しい点のひとつが、リクライニングに連動してアームレストの角度も上がってしまう点です。
もたれかかって休息するには問題ありませんが、この状態だとデスクワークする際に使いにくいのです。
アームレストのパッド部分の角度は上方に上げれるものの、下げることはできません。
ゲームコントローラーを操作するには支障ありませんし、むしろ使いやすささえ感じます。
欲を言えば、キーボード操作をすることを想定して座面に対してパッド部分をフラットに角度調整できたら、さらに良かったというのが本音です。
操作のしやすさ
ロッキングとシートスライド、高さ調整が一つのシフトレバーで操作できるのは便利です。
操作面において、惜しい点は1つだけあります。
それは背もたれの高さ調整とアームレストの高さ調整において、思いきり上げた際、最上位段階でストップせずに、そのまま下まで降りてきてしまうことです。
慣れればどうってことありませんが、高い位置で固定させる場合はちょっとコツが必要になります。
背もたれの機能を評価
背もたれの特徴はセパレートになっていることです。ランバーサポートと背もたれを分離することによって、背中と腰への圧迫感を抑え、快適なフィット感を与える役割を果たしています。
なお、背面のT字型のフレームによって、背もたれの左右部分が固定されているわけではありません。そのため、もたれかかったときの背中の左右への動きに追従する仕組みになっているのは、珍しい仕様といえます。
リクライグは3段階固定(最大傾斜角度130°)できます。
背もたれは背フレームに固定されておらず、シリンダーでつながっています。もたれかかったときに荷重を吸収するため、背中に圧迫感を感じさせない役割を果たしています。
ランバーサポートは大きく、腰をしっかりと支えます。エルゴヒューマンより支えは強いです。
一般的な固定式のタイプと違って、座ると自動で角度が変わる仕様になっています。
他社にはなかなか見かけない仕様で実用的です。
座るだけで自動で体格に適したフィット感が得られるのは、素晴らしい機能だと感じます。
背もたれは高さを5段階で調整できます。可動域は8cmです。
先述しているとおり上まで思いきり引っ張り上げると最上段階で固定せずに、最下段まで下がってきます。
1段階づつ確認しながら自分に合う位置に固定する必要がありますが、操作自体はシンプルなので問題ありません。
ヘッドレストの機能を評価
ヘッドレストの機能は高く評価できました。幅広い体格の人にフィットするよう調整できるからです。
高さ調整に加えて、角度調整が2箇所できるため、高身長の人でもちゃんとフィットします。
身長180cmの筆者も高さと角度を調整することで、頭・首にピッタリフィットしました。
座高にあわせて、頭のあたる位置を6段階で高さ調整できます。
角度は2パターンで調整できると説明しましたが、そのひとつが「向き」の調整になります。3段階、45°まで傾斜できるのです。
向きによってフィット感が変わってきますので、試しながら自分に合う向きで固定できます。
2つめの角度調整が前後への調整です。フレームの角度(最大25°)を変えることで、ヘッドレストの位置を前後に6段階で調整できます。
以上、3つの調整によって自分に合う位置を見つけ出せます。ヘッドレストひとつでここまで幅広い調整ができるのは高く評価できます。
座面の機能を評価
座面は「高さ」と「奥行き調整」の2つの機能が付いています。
なお、本商品はロッキングを強弱するためのノブが付いていません。
高級チェアと同じように、座った人の体重にあわせてロッキングがスムーズになるよう自動で調整される仕組みです。
ロッキング強弱ノブが付いていないため、デザイン的にもスッキリ見えます。
基本的な機能として、身長に合わせて高さを調整できます。
座面までの高さは中央箇所で最低47cmで、日本人の平均身長を考えるとやや高めですが、座面がメッシュで座ると沈みこむため、ちょうどいいサイズ感です。
一番上まで上げると、57cmまで高くなります。
座面の奥行き調整も可能です。
最大で約2.5cmスライドできます。身長に合わせて座りやすい位置に調整できるのはメリットです。
アームレストの機能を評価
アームレストも調整機能が盛りだくさんで、ここまでやっちゃう?というレベルです。高機能チェアでも多くて4つの機能(前後・左右・上下・角度)ですが、本商品は6D(6個の機能)が付いています。
・前後
・アーム左右角度
・パッド左右角度
・跳ね上げ
・リクライニング連動
パッドはポリウレタンでソフトな質感のため、腕をドンと置いても痛くならないのもポイントです。
ひとつめの機能が高さ調整です。これは基本的な機能といえます。座面が一番下の位置でアームレストまでの高さは65cmになります。
ストローク幅は約7cmで、7段階で固定可能です。
パッドは前後にスライドできます。
向きの調整も可能です。マウスを使う作業が多いときは利き腕の方のパッドだけ外側に向けるなど、工夫して使えます。
アームレストの左右角度を調整することで、パッドの配置を座面(シート)の外側と内側に変えることができます。
肩幅の狭い人はアームレストを最小幅に配置すれば、腕が置きやすくなります。
パッド上方向に跳ね上げることもでき、6段階で固定できます。下方向には調整できません。
リクライニング動作にともなってアームレストの角度が上がる点は、先ほどご紹介したとおりです。
とてもカッコいいデザインのアームレストですが、リクライニング固定した状態でPC作業するには不便に感じます。
しかし、ゲームコントローラーを操作しながらモニターを見る分には、むしろラクに感じました。
品質は?
品質は価格以上の価値を感じます。
樹脂成形の精度、接合部など細かい部分においても満足できるレベルといっていいでしょう。
なお、品質保証は3年間で、同じ価格帯のチェアのなかでは十分な保証期間です。
JOIFA(日本オフィス家具協会)が定めている構造体の保証3年と同じ水準なので、安心です。
張り地(生地)について
張り地は背もたれ、座面ともにメッシュで通気性がいい仕様です。長時間座っていても蒸れません。
手触りはツルッとした繊維ではなく、ファブリックのような質感です。
座面・背もたれ・ヘットレストはやや強めのテンションで張ってあり、ランバーサポートのみややソフトなテンションになっています。
耐久性は?
耐荷重は135Kg(メーカー公表値)ということもあってかなり頑丈です。
国内のオフィスチェアは耐荷重80Kgからで、大きくても100Kgのため、本商品がいかに頑丈かお分かりいただけると思います。
もともとは欧米向けで開発し、BIFMA(アメリカで制定された世界基準の強度試験)をクリアしているのもうなづけます。
大柄な人も安心して座れますよ。
DORO C300PROの座り心地を評価
DORO C300PROの座り心地はかなり良いです。
見かけ倒しではなく、本当に座りやすいと感じました。高級チェアにまったく引けを取らないどころか、脅威すら覚えます。
・腰のサポートが逸脱
・自分の体格に合うようサイズを微調整できる
パーツごとに座りやすい状態に調整することでフィット感が高まります。
今回、身長160cmと180cmの2人が試しましたが、いずれも上質な座り心地を体感できました。
ゆったりと座れて安定感も抜群です。
長時間、快適に座っていられます。
ヘッドレストの角度調整によって、首にピッタリフィットする位置で座れます。
作業時に首が疲れにくいのはメリットです。
腰が疲れにくいかどうかは、優れたオフィスチェアかどうかの評価を決定づける要素のひとつです。
本商品はもたれかかるとランバーサポートがやや上方向に向いて、下から腰を支えるような状態になります。
ランバーサポートの角度がやや上に向いているのが画像からお分かりいただけると思います。
真後ろではなく、やや下から上に押し出すようなサポートはとても珍しいです。
かなり快適に感じます。
リクライニングすると、ランバーサポートが追従するように角度が変わり腰を支えます。
身長160cmの場合、シートを最後方へスライドしたら、腰のフィット感が高まりました。
座面の奥行きは前方まで目一杯引き出すと、ランバーサポートから計測して約45cm、目一杯引き込むと約42cmになります。
これは一般的なサイズ感で、座りやすいちょうどいい深さです。深くない分、膝裏を圧迫しません。
海外製のチェアは奥行きが深すぎて座りにくいモデルも多いため、この点も評価できるポイントです。
座面の最低高さは座面の中央箇所で47cmです。
やや高めの設定ですが、メッシュで多少沈みますので、ちょうどいいサイズ感といえます。
座り心地のまとめ
安定感、姿勢の取りやすさ、腰のサポート、腕のサポート、いずれもフィット感がとても高く座り心地はかなり良いです。
長時間座っても疲れにくいため、1日中デスクワークする人にもおすすめできます。
正直な話、10万円越えのエルゴヒューマンと比べても引けを取らないどころか、ランバーサポート(腰部の支え)においてはDORO C300PROのほうが優れていると感じました。
どこで購入できる?安く買うには?
DORO C300PROは公式ストア以外にAmazonでも購入できます。
一番安く購入するなら、公式ストアでセールを開催しているタイミングを狙ってください。
筆者が調べたタイミングだと、Amazonでは20%OFFのセールをしており、公式ストアでは25%OFFのセールを開催していました。
金額にすると公式ストアのほうが3,000円も安く買える計算になります。
レビューは信用できるのか?
Amazonには1,400件以上のレビューが並んでいます。
座り心地について高く評価するユーザーがかなり多いですが、重たくて扱いにくい、もうちょっと機能調整しやすいといい、など否定的な意見も見受けられました。
チェックするかぎり、完全なサクラレビューだらけではないと判断できます。
使用面について的を得た感想が多いので、レビューは信用できるものが多いと感じます。
SIHOOで他に販売しているシリーズは?
SIHOOでは2万円台〜10万円台までのチェアを展開しています。
バリエーションは10種類未満と多くありませんが、どのチェアも他社の同等品と比較すると安いです。
国内のメーカーで言うと、国内メーカーのサンワサプライと同じくらいの価格帯になります。
なお、シリーズの中でDORO C300PROは上位モデルにあたります。
DORO C300PROとDORO C300を比較
今回レビューした「C300PRO」から1段階グレードが低いモデルに「DORO C300」があります。
見た目はあまり変わりませんが、C300PROの方が操作レバーが目立たずにスタイリッシュです。
機能面においても、C300PROの方が充実しています。C300は座面のスライド機能も付いていません。
価格差は1万円程度の差なので、できるならC300PROを購入することをおすすめします。
まとめ:ありえない1脚
冒頭でも解説しましたように、本商品は国内のオフィス家具メーカーが代理店になって販売していたら、絶対に実現できない価格です。
中国の家具メーカーが、ダイレクトに国内で販売しているからこそ実現できているということです。
相当頑丈に梱包されている点も、品質に対する意識の高さを感じられます。
国内のオフィス家具メーカー品ではないという不安な点はあれど、質・座り心地・高機能といった点を考えると、異常なほどパフォーマンスは高いです…
コスパ重視で高機能オフィスチェアを探しているなら、本当におすすめできる1脚です。