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チャイニーズチェア(チャイナチェア)は、直訳すると中国の椅子です。
そのまんまですね。
さて、直球ネーミングが付いたこの椅子ですが、じつは椅子の歴史において、超重要と言っても過言ではありません。
今回はそんな『チャイニーズチェア 』について紹介します。
・家具業界で20年以上働いているマーケター
・商品開発やアドバイザーなど幅広い分野で活動中
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目次
チャイニーズチェアのストーリー
チャイニーズチェアは1943年にフリッツ・ハンセン社から発表されました。
デザイナーは当時29歳だったハンス・J・ウェグナーです。
ネーミングから分かるとおり、チャイニーズチェアはウェグナーが中国の椅子にインスピレーションを受けてデザインしました。
きっかけは1932年頃に発刊された『家具芸術』という本です。
本を手に取ったウェグナーが、そこに掲載されていた中国・明時代の椅子『圏椅(クワン・イ)』を見てインスピレーションを受けます。
「これ、ええな」と。
ベースとなったクワン・イ
圏椅をウェグナーがリデザインして誕生した椅子、それが『チャイニーズチェア』です。
チャイニーズチェアは少なくとも異なるデザインで、9種類以上も製作されています。
初期にデザインされたものはアームのカーブや細部に至るまで高度な技術力を持った職人しか製作できないものでした。
しかし、ウェグナーは『強度を高めること』と『量産』できるようにするためリデザインを繰り返していきます。
量産していくには機械を使用する必要があり、デザインもシンプルにしなければいけません。
かなりの試行錯誤があったと思われます。
そこで当時トーネットが考案した木を蒸して、曲げ型の中に入れて乾燥させる手法を取り入れてリデザインを試みます。
こうして完成したチャイニーズチェアが翌年1945年にフリッツ・ハンセンからPP66という品番で発売されました。
しかしその後、数年の間に廃盤になってしまいます。
その後、1970年にPPモブラーから再販売されるようになり、現在に至ります。
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チャイニーズチェアは椅子の歴史上、なぜ最重要なのか。
日本で大人気の椅子にYチェアがあります。
この椅子はチャイニーズチェアが誕生しなかったら、今の世の中に存在しません。
じつは、Yチェアはチャイニーズチェアをベースにリデザインして作られたものなのです。
これがとても重要である理由です。
もしYチェアがなかったとしたら?
インテリア業界に与える影響だけでなく、経済的な面においても間違いなく影響していたことでしょう。
日本は椅子の中でYチェアを相当な数量輸入しています。
モデルハウス、雑誌、映画、ドラマ、SNS。あらゆるシーンで見かけます。
さまざまなシーンに溶け込んでいて代わりになる椅子があるのか?
それくらい日本のインテリアシーンに深く浸透しています。
Yチェアの根源となったチャイニーズチェア。
いかにチャイニーズチェアが重要であるのかお分かり頂けたかと思います。
ある意味、ウェグナーがクワン・イに出会わなければ・・という見方もできますが・・
余談ですが、もしYチェアがなかったら私はこれほどの椅子好きにはなっていませんでした。
商品の特徴
伝統的な美しさと自然な優しさが共存したフォルム。
シンプルでありながら、そこにいるという『存在感の強さ』を感じます。
本体はオーク、アッシュ、チェリーから選択できます。仕上げはソープ仕上げ、オイル仕上げ、ラッカー塗装。
座面はペーパーコードかレザー張りの2種類あります。
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座り心地
『ゆったり座る』
この言葉がぴったりの椅子です。
アームに腕を掛けながら足を組んでみると、なんとも優雅な気持ちになりますし、気持ちが不思議と穏やかになります。
しかし、究極の座り心地を求めるなら、この椅子はそこまで魅力的ではないかもしれません。
リクライニングチェアのように、おもいきりくつろぐことを想定して作られていませんから…
それでも、この椅子を置くだけで空間を支配してしまうような力強さは、チャイニーズチェアならではの魅力です。
価格
円安や原材料の値上げによって値上げが続いている傾向にあります。
素材のランクにもよりますが、100万円以上するモデルが多いです。
購入するには
現在はデンマークの家具工房PPモブラーが製作し、日本の代理店で販売しています。
しかし、店頭で展示して販売しているショップは少なく、残念ながらなかなか試座できません。
そのため、正規代理店で注文しても在庫がなければ納期は3〜4ヶ月は掛かります。
航空便を使えば在庫があれば通常1ヶ月もかからないくらいで届くかと思います。
ショップによって販売の方法は異なりますので、検討中の方はショップに確認してみてください。
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最後に
伝統を重んじつつも現代で快適に使用するための問題点を定義して、デザインの本質を導いていく。
これこそウェグナーの真骨頂ではないでしょうか。
なにより大切なことは、椅子は芸術品である前に実用品であるべきということ。
実用品として使うには、どのようにデザインすべきなのか。
ウェグナーはいつもそのように考えていたに違いありません。
そして、チャイニーズチェアを通して、価格・デザインともに、より実用的となったYチェアが誕生したわけです。
ウェグナーの椅子に対する考え方は緻密に計算されているようで、本当に興味深いですね。
[…] 上記、Octopus Lab より抜粋しています。 […]
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