ゲーミングチェアの代表格として高い人気を誇るメーカー、AKRACING(エーケーレーシング)。
AKRACINGの数あるモデルのなかでPINONはティーンエイジャー向けに作られた異色を放つゲーミングチェアで、
「人間工学に基づき設計された究極のゲーミングチェア」
として注目を集めています。
こう言われて気にならないわけがありません(笑)
そこで本記事では、
「品質は良いの?」
「座り心地は?」
「適正身長の範囲なら大人でも座れるの?」
といったPINONの疑問について徹底解説します。
・家具業界で20年以上働いているマーケター
・商品開発やアドバイザーなど幅広い分野で活動中
目次
まず結論から
まずはPINONについて結論から申し上げますと…
チェアにとって大切なポイントをしっかりと抑えた完成度の高いゲーミングチェアと評価できました。
なかでも座面はクッション性が素晴らしく、こだわりの仕様は感動レベル。
長時間座って勉強や作業しても疲れにくい優れたゲーミングチェアと評価できます。
適正身長なら年齢問わず、大人にもおすすめ
PINONは小学校高学年〜中学生向けに作られたゲーミングチェアです。
適正身長は145cm~165cm。
公式サイトでもそのように書かれています。
しかし!
PINONは大人でも適正身長の範囲ならぜひ使ってほしいゲーミングチェアと評価できます。
・長時間のPC作業でも疲れにくい仕様
・高級感のあるデザイン
PINONはコンパクトサイズなので、小柄な方の場合、通常サイズのチェアに比べてフィット感があります。
フィットしやすく姿勢が崩れにくいため、長時間の作業にも集中しやすいのです。
また高級感のあるデザインは大人な雰囲気の書斎でも雰囲気をくずしません。
さらに耐荷重が150Kgと頑丈なため、大人が座ってもまったく問題ない点もおすすめできるポイントです。
PINONの評価
高級感のあるデザインは安価なゲーミングチェアとは一線を画します。
張り地やフレーム、クッション材などチェアの肝となる部分において「良いもの」を使用していますし、全体的に高い評価となりました。
PINONのメリット・デメリット
メリット
最大のメリットはクッションの質がとても良いところ。
とくに座面はクッションの質によって座り心地を大きく左右します。
工夫された座面により底打ち感がなく、長時間座っても疲れにくい仕様はPINONの大きなメリットです。
保証が長い点も安心できます。
一般的に通販で販売しているチェアは保証1年が多いのですが、PINONの保証は3年。
それだけ質の高さを担保している証拠とも言えます。
デメリット
デメリットは2つあります。
一つめは価格が安くないということ。
「AKRACING」はゲーミングチェアのブランドとして確立していますが、安さを売りにしているわけではありません。
ノーリー
もちろん「質の高さ」があっての価格設定。
なので高品質なこと、そして保証の長さを考えると「コスパは良い」という見方ができるのも事実です。
デメリットの2つめは「アームレストの最大値の設定が低い」という点です。
残念ながらPINONはもっとも高い位置に設定してもアームレストの高さが低く感じます。
「立つ・座る・リクライニング」するときは支えとして機能するので便利な反面、アームレストにガッツリ腕を置いて座りたい方にはデメリットになります。
アームレストについては後ほどくわしく解説します。
仕様
サイズ | 座面幅:38cm 座面奥行:45cm 高さ:116.5-123cm |
カラー | ・ホワイト ・スカイブルー ・サクラピンク |
材質 | クッション:モールドウレタン 生地:PUレザー フレーム:樹脂成形品 脚ベース:スチール |
保証 | 購入から3年間 |
適正身長 | 145cm~165cm |
価格 | 45,253円 |
カラーは3色
「ホワイト」と「サクラピンク」は合成皮革ですが、スカイブルーのみファブリック(布)仕様です。
機能
②ロッキング(背座一体型)
③リクライニング(背もたれ)
④アームレストの高さと角度調節
PINONの座り心地
PINONの座り心地について身長169cmの女性が実際に座って検証しました。
座り心地の総評
座面の仕様が良いため座り心地がとても良く、長時間でもラクに座っていられます。
背もたれの角度は自分に合う角度で固定できるため、背中が疲れにくいのもメリット。
ワイフ
特徴についてまとめると…
・姿勢が安定する
・後傾姿勢が取りやすく作業に集中しやすい
ふつうの姿勢モード
背もたれは座りやすい角度で調節できます。
注目ポイントは「姿勢」です。
写真では背もたれを少し倒して、後傾姿勢になっているのがお分かり頂けると思います。
重心がやや後ろにいくことで、パソコン作業をするのに最適な姿勢が取れるというわけです。
ハイバック仕様なので頭部を預けることができます。
座面は左右が立ったデザインなのでお尻がずれにくく、姿勢が安定します。
休憩モード
背もたれは最大150度までリクライニングできます。
作業に疲れて仮眠したいときは、背もたれを倒してウトウト…。
脚ベースが大きいため、背もたれを倒して座っても後ろにひっくり返ることはありません。
ネックサポートがあるので首がラクです。
取り外して座ることもできますが、後傾姿勢でゆったり作業をしたいときは付けて座ることをおすすめします。
本体を分析&くわしく解説
クッションの素材と硬さ
クッションは背もたれ、座面ともにモールドウレタンを採用しています。
やや硬めで弾力性があるのが特長です。
ウレタンをくわしくチェックしましたが、高密度で品質が良いことを確認できました。
高密度であるほどヘタリにくく長持ちするので、この点においてPINONは優秀と言えます。
座面
奥行きについて説明しますと、AKRACINGの他のモデルはすべて奥行き50cm以上。
50cm以上あると小柄な方が座る場合、膝裏を圧迫してしまいます。
これでは疲れてしまいますし、血行の面を考えてもよろしくありません。
つまり小柄な方にとって奥行きが45cmというのは座りやすいサイズということなんです。
座面の幅が38cmについては、AKRACINGの他モデルより1cmほど小さいくらい。
体感しても分からないほどの差です。
クッションの厚みは10cm。
一般的なオフィスチェアに比べてかなり分厚いです。
ココに技アリ!
PINONには座面裏側の座裏カバーがありません。
合板すら付いておらず、正直おどろきました。
「格安のゲーミングチェアでさえ合板くらいは付いているのになぜ?」
しかし、ウェービングテープ(緑色のベルト)を見て納得。
合板の代わりにウェービングテープを採用することで高級ソファのような座り心地を実現しているのです。
底打ち感がなく、長時間座ってもお尻が痛くなりにくい理由はここにあります。
ウェービングテープはソファの座面によく使われますが、オフィスチェア(ゲーミングチェア)に使うのは、とてもめずらしいことです。
座面の左右は立っているので、姿勢が崩れにくいメリットがあります。
座って右側に昇降レバーがあります。
このレバーで座面の高さを調節できます。
背もたれ
背もたれはレーシングカーのシートのようなデザイン。
背中をホールドしやすいように左右が前方に出ているのが特徴です。
背面はすっきりとしたデザイン。
背もたれのリクライニングとは別で、背座一体型のロッキング機能も付いています。
正面にブランドロゴが刺繍されています。
高級感があって良い感じです。
サポートクッション
サポートクッションは「ネックサポート」と「ランバーサポート」の2個が付属されています。
どちらも脱着式で簡単に取り外せます。
ネックサポートは背面で止めるだけ。
固定式ではないですが、座っていて簡単に外れることはありません。
ランバーサポートはゴムベルトで固定。
任意の位置に調節できます。
ワイフ
脚ベース
脚ベースはよくある樹脂製ではなく、スチール製で高級感があります。
幅は66cm。
コンパクトサイズのチェアにしては大きめのサイズです。
そのためリクライニングしても安定感があります。
生地
生地(張り地)はPUレザーで、やわらかくしなやかな手触り。
安価なゲーミングチェアに採用されているPVCレザーに比べて耐久性が高いのも特徴です。
お尻が当たる部位はキルト刺繍が入っており、お尻が前にずれていく「座滑り」を防ぎます。
アームレスト
アームレストのパッド部分はプラスチックではありません。
やわらかな素材です。
アームレストの高さ(可動域)は4.5cmの範囲で調節できます。
しかし、はじめにもご紹介したように高さがもの足らないのは否めません。
もっとも高い位置に設定しても肘をつけることはできません。
ただ、着座の際や背もたれを倒すときに手をかけられる点は便利です。
角度調節もできます。
キャスター
PINONはPUキャスター(ポリウレタンキャスター)を採用しています。
ナイロンキャスターよりやわらかいのでフローリングを傷つけにくいのがメリット。
ちなみにナイロンキャスターとPUキャスターの違いは…
ガスシリンダー
PINONは「DIN4550規格クラス4のガスシリンダー」を採用しており、高品質をうたっています。
DIN規格はドイツで制定された工業規格で、国際的に適用されているものです。
なお基準がJIS規格に相当しているため、一定の信用を担保しているといっていいでしょう。
PINONの検証まとめ
ノーリー
・クッションは耐久性と弾力性に優れた「モールドウレタン」
・サポートクッションが心地良い
・アームレストの位置(高さ)が低い
・PUキャスターで床を傷つけにくい
・耐久性の高いガスシリンダー
PINONと標準サイズのモデルを比較
AKRACINGの標準サイズにあたるNitro V2と比較しました。
注目すべき点は「座面の奥行」と「高さ」です。
座面はNitro V2の方が奥行きが深く、ゆったり座れますが小柄な方にとっては深すぎます。
ひざ裏を圧迫してしまう恐れがあるので、小柄な方はPINONくらいの奥行きがおすすめ。
座面までの高さもPINONの方が低いため、かかとが床に接地しやすいです。
PINONの口コミ
子供や女性の方には丁度良いサイズで普通に椅子として使用しても
疲れが出にくい気がするほど座り心地は良いと思う。
ゲームで使用する場合も安定感があり私的には気に入っている。Amazonより引用
玄関で受け取ったは良いものの重すぎて運べなかったため、1度ダンボールの中身を出してバラしてから部屋まで運びました。女性1人であのダンボールを運ぶのはかなりしんどいと思います。組み立ては説明書通りやれば1時間程で終わりました。GTRACINGのゲーミングチェアと比べてみて、座り心地もふかふかな感じで腰が痛くなりにくいです。値段相応の満足感があります
Amazonより引用
PINONの口コミをまとめると…
・高級感がある
・値段相応の価値がある
・アームレストの位置が低い
・組み立ては簡単だけど重くて大変だった
口コミでは、
「高級感があって座り心地がとても良い」
という前向きなコメントが目立ちました。
それほどたくさんの方が気にしている印象はないですが「アームレストが使いにくい」という良くない口コミもありました。
学習椅子としても最適?
PINONは、
「小柄な大人にこそ使ってほしい」
と本記事でご紹介しました。
しかし、もともとPINONは身長145cm~165cmの小学校高学年から中学生向けのチェアとして開発されたもの。
なので、もちろん学習用チェアとして使用できます。
買い替えのタイミングで検討するのもおすすめ
小学校入学時に買ったチェアから、5年~6年生あたりでPINONに買い替えるのも一つの方法です。
入学時から5年使い続けたチェアはクッションのヘタリが気になってくる時期。
また、成長にともなってサイズが合わなくなってくる時期でもあります。
そんなタイミングでPINONに買い替えれば、抜群の座り心地で勉強時間をサポートしてくれます。
身長130cmの子供が座ってみましたが…
かかとが床につきませんでした。
これだと座りにくいため、やはり身長は145cmからが最適になります。
組み立ては簡単?
PINONは箱に入って届きます。
箱を開けると…
パーツごとに分かれて入っています。
バラバラなので大変そうに見えますが、組み立てはとても簡単です。
組み立てに必要な工具は全部入っています。
ご親切にも軍手が入っています。
これがあれば本体を汚さずに作業できるので安心です。
なお軍手はサイズが小さいですが、とてもよく伸びるので大きな手でもちゃんと入ります。
組立説明書が分かりやすいので安心
組立説明書はカラーでとても見やすいです。
これなら組み立てが苦手な方でも安心です。
まとめ:PINONは「疲れにくい仕様が魅力」のゲーミングチェアです
さいごにPINONの魅力についてまとめました。
・小柄な方にとって最適なサイズ(フィット感に優れる)
・高級感がある
今回の検証においてもっとも評価できたポイントは「疲れにくさ」と「フィット感の良さ」です。
とくに座面にはとてもこだわりを感じました。
お尻がラクだと長時間座り続けても疲れにくいメリットがあります。
小柄な方にとってフィット感に優れているのもおすすめできるポイントです。
ワイフ
ノーリー